コウスケ

BLUE GIANTのコウスケのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
3.8
感動した!とか最高!とか思わない。
「音楽」がカッコいい映画だ。
ジャズライブを楽しむと割り切る意味で、映画館で観るのが良いだろう。

本作をきっかけにジャズを聴く人が増えたら面白い。
この映画の音楽を担当した上原ひろみさんのライブを、YouTubeで見るところから始めると良いだろう。

ジャズで「BLUE」といえばブルーノートを思い出すが、若者の青さ・青春みたいなのも表してるような。若いっていいな。

先に言っておくが、良い映画だと思うし、オススメしたい。

しかし本作は、私が「ずるい!」と思う感動ストーリーの条件2点を完全に満たしている。
a) 登場人物の涙で、鑑賞者の涙を誘う
b) 人の怪我や死を利用して心揺さぶる

できれば、この2つを使わずに心揺さぶるような映画に出会いたい。

ただ、初心者が仲間に迷惑をかけまいと必死に練習する姿や、人の温かさ、ボロクソに否定されたピアニストがライブで開花するシーンはグッときた。

とはいえ、最後のライブ前に事件が起こることや、結果3人揃うのは見え見えすぎた。
もう少し裏切ってほしい。

さらに最後のライブでは観客の涙のシーンをやたら乱用。「さぁお前も泣け」と脅迫してくる感じがしてモヤッとした。

つまり、ライブを楽しむ映画だ。
この映画で泣いたなんて、認めたくない。
帰りの電車で聴いたのは、この映画のサントラ。
上原ひろみさんの勢いあるピアノが、私のモヤモヤを洗い流してくれた。

要するに、この映画オススメです。
コウスケ

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