やまこう

BLUE GIANTのやまこうのネタバレレビュー・内容・結末

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

上京して大がバンドを組んで、ミュンヘンに旅立つまでのJASSの3人の物語。

とにかく、演奏シーンが素晴らしかった。
音楽ももちろんかっこいいし、音が映像の中のお客さん、そして僕たちに届くのを、様々な映像表現で届けてくれた。

「ジャズは熱くて激しいもの」という大の思いそのものが届くいい映画だった。

玉田がおじいさんに認められるシーンや、ユキノリの葛藤と映画の最後の曲の演奏、そして、ユキノリの思いを背負って二人で演奏するSoBlueのライブが最高。演奏中ずっと涙が止まらなかった。

玉田は二人についていくことに必死だし、同じ場所に行きたいけど...という葛藤。ユキノリは自分の14年と大の3年を比べて悲しみ、自分の夢に周りを引っ張って行こうとしたのに、一番遠い・遠くしているのが自分だったという葛藤。そこを二人がそれぞれ乗り越える瞬間、それが言葉ではなく、音楽・演奏という形で出しているのは、そりゃええやん!!となった。


その一方で、映画としては、主人公に魅力がなさすぎる。玉田とユキノリの話やったやんとなった。二人には葛藤があってそれを乗り越えるドラマがあるのに対して、大は最初からイケイケで、特に不自由なく最後までのりきってミュンヘンに行く。だけやん、、、。ってなった。

宮城時代のがあるから漫画だと読めるんだけど、映画としてみたときに、よわめの自己中の人にしか見えないシーンが散見した。ので、もう一エピソード足すとか、ユキノリの悩みの時のセリフ・立ち振る舞いとかでもっとグッと来る映画になったと思うと、もったいない気がした。

大の音楽への真っ直ぐさ・熱さも演奏中は伝わるんだけど、それ以外のところでも出して欲しかったな。
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