サイモン＆ガーファンクルの「サウンドオブサイレンス」に、"hearing without listening （聴くこともなく聞いている）”という歌詞がある。音楽がCD以降、好きな時に好きな曲を手間をかけずに聴けるようになって以来、（あくまでも個人の意見だが）音楽を聞いているが聴いていないことが多くなった。そんな中、本作「BLUE GIANT」は、聴くことの楽しさを改めて思い起こさせてくれた一作。
台詞回しの臭さが気になることから、元来アニメは好きじゃなかったのだが、そんなことはどうでも良くなるくらい只々楽しかった120分間。主役を演じた山田裕貴、間宮祥太朗、岡山天音の3人も、彼らそれぞれの表情が見えてきそうなくらいハマっていたね。何よりも好きなJAZZをテーマとしたアニメを制作してくれたことに感謝。早くも今年の個人ベスト５に入るくらい好きかも。
ライブハウス「So Blue」、モデルにしたであろうBLUE NOTE TOKYOの雰囲気も見事再現。個人的にも晩年のオスカー・ピーターソンやデビューしたてのジェイコブ・コリアーなどが聴けた大切な場所。あー無性に行きたくなってきた。
