つい先般、Pharoah Sanders、そしてWayne Shorterというテナーサックスの巨星たちが天に還ってしまった。
寂しい思いをしていたところ、ちょうど若きテナー奏者の奮闘を扱かった今作がヒットし始め、ワクワクと観賞。
最高の青春スポ根ジャズ映画だった!
主人公たちの鬼気迫るプレイで奏でられる上原ひろみの楽曲は、スピリチュアルジャズ色の濃いシリアスなコードが印象的。
これがクライマックスにおける精神と宇宙が繋がるビジュアル演出とハマっている。
ブラックホールを背景に演奏する描写などまるで『インターステラー』のようだ。
主人公の求道的な姿勢や、激しくブロウするスタイルはJohn Coltraneを参考にしたものだろうか。
本編冒頭から"Impressions"が引用されたり、主人公たちが通い詰めるジャズバーにもコルトレーンのジャケットが並べて飾られていたりしたし。
高架下で練習するのはソニー・ロリンズぽいなと思ったり。
他の人物たちも熱く魅力的で、いっそ群像劇と言えるほどのインパクトがあった。
命を燃やし尽くした星もあれば、どこかで青く輝き始める星もある。
この作品が日本のジャズ演奏者やリスナーが増えるきっかけになるといいな。
もう一回観たい!