漫画は未読で事前情報何もなしに観ました。
何がそんなに響いたのか整理出来てないが、とにかくずっと泣いていた。漫画で鳴っている自分の頭にしかない音を映画に落とし込むとだいたいチープになりがちだと思うが（いくつか思い当たる映画があるがタイトルは伏せておく）、本作はそんな事を思わせない熱量と説得力があったように思う。まぁ、上原ひろみが絡んでいるし、当然といえば当然なのだが。
とにかく曲が良くて、FIRST NOTEは観終わった後もしばらくずっと聴いていた。上原ひろみの『I've Got Rhythm』が入っているアルバムを貪り聴いていた以来でしょうか、こんなにジャズを聴いたのは。
世界一のジャズプレイヤーになるという、ある意味盲目な大と、海賊王になると言っているルフィとは重なる部分があるが、ただのビックマウスではなく、圧倒的な努力を積み重ねている大の方が人間味があり共感と好感が持てる。
ここまで、盲目的に自分を信じて夢を追いかける事ができなかった事への後悔とか、何かに本気になりたくて、必死にしがみつこうとする玉田とか、夢を諦めなければならない雪祈とか、自分の人生のスパンで考えると要所要所で彼らと重なる部分があって、これが異様に刺さった要因なのかなと。
しかしコスパだタイパだと、簡単に答えを欲しがるこのご時代に、とにかく地味な練習をひたすら繰り返す大が主人公のこの映画がヒットしているのも不思議ですね。
