流鏑馬

BLUE GIANTの流鏑馬のネタバレレビュー・内容・結末

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

作中で雪祈が、「才能がないとダメだ」的な意味合いのことを言っていた。才能がないと努力してもどうしようもない、みたいな。そして雪祈は自分のことを、その"才能"を持っている人間だというふうに自負していた。

けれど、作中で雪祈は言う。
「4歳から」
18歳になった今、まで14年間ピアノを弾き続けて、友達がスポーツで全国を目指しているなか雪祈はただ1人、ピアノでSo Blueを目指していた。演奏シーンでは、ピアノを弾いている雪祈が回想のように映し出される。幼少期、中学生時代、現在。14年間、休まずに止まらずにピアノを弾き続けた雪祈のそれを、私はまさしく、努力だと思う。

才能って一体何なんだろう。雪祈には本当に才能があったんだろうか。雪祈が持つ一流の技術は、腕前は、本当に 才能だけ によるものだったのか。

私個人として、才能とかセンスとかそういう曖昧な単語はあまり好きじゃないし、ピアノに打ち込む雪祈の姿は、そんな曖昧な言葉で片づけられてしまって良いもんじゃないだろうと思った。

厳しい批評に打ちのめされても丸2日休まずにピアノと向き合い、右腕を怪我しても止まらずに新たな曲を書き続ける。クールに見えて静かに心を燃やしている雪祈の姿に、胸が熱くなった。
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