フレッシュ

BLUE GIANTのフレッシュのネタバレレビュー・内容・結末

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

3人の純度にやられた。
漫画だと東京に出てきたあたりまでしか読んでなかったので、トリオがどんどん良くなった先で、あんなことが起こるのはフラグが立ち始めたあたりから「やめてー」と思っていたが…。

少し前に職場の人と話した時にその人が「自分は本が好きだから街の中に小さい本棚を置いてもらう活動をしていて、今2箇所くらい置いてくれてるんですけど、街中にたくさんそういう小さい本棚を設置していくのが僕の夢なんです」って言っていて、それに俺は衝撃を受けて。
「俺は今人にこれが夢だって胸張って言えることなんてあるだろうか…」と。

この映画を見ててそのことを思い出して、こうなりたいとか、これをやりたいとか、そうしてひたむきに進んでいくことって、俺はいつから見失ってしまったんだろうか…と。
一緒に見に行った友達はちょうど今新しい事が始まりそうな状況で、痛く響いたらしく「時間を無駄にしてる場合じゃないなと思った」と。
そして「君には何かないの?きっとあるはずだよ」と信頼しているが故の無邪気な言葉を投げてくるが…果たして俺には何があるんだろう。

仕事をして生活を保つ、ことはしているけど、それが,何か悪いわけでもないのだけど、何か情熱を傾けられるものはあるのか…?
愛せるものがあるのか?
その時間こそが自分にとっては大事だったのだと、言えるものが、何か。

という作品の内容についての感想だけども。
アニメ作品としてはまだまだ改善の余地があるものだなと感じた。
特に演奏シーンでのモーションキャプチャーからのアニメ化はかなりぎこちなくて、ストーリー部分とのギャップは相当あると思った。
CGが入るようになってアニメのクオリティは飛躍的に上がったのだが、実際の人の動きを取り込むというところに関してはまだまだなんだな、と。
そういう意味では、『THE FIRST SLUMDUNK』で井上雄彦が相当自分で修正をかけたというのは、こういうことだったのか…と。
モーションキャプチャーを使ったアニメ映画としての対比で見ると、作品の完成度としてはスラムダンクは恐ろしいものだったんだなと改めて痛感した。
フレッシュ

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