ぽん

BLUE GIANTのぽんのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.2
4月に映画館で観たときの感想。(思い出し書き)

音楽青春映画は楽曲の出来で決まると思っているので本作はその点で文句なし、ってか賛辞しかない。とにかく音楽がサイコー。それに尽きる。
地元のシネコンで1番大きい会場だったので音響も良く、ライブを観てる感覚で各パートソロの終わり毎に拍手しそうになった。

加えて物語も良き。世界一のジャズサックスプレイヤーになると決めて上京してきた主人公・宮本大の、ひたすらに真っ直ぐな音楽への情熱に打たれる。大谷翔平みたいに目標が明確で、そこに至る努力も怠らない。天賦の才能だけじゃないっていう地道さ、実直さが良いのです。東北弁(ちょっとやり過ぎ?)の素朴さも含めて応援せずにいられなくなる。

ライブで一聴惚れしたクールなピアニスト雪祈(ゆきのり)とバンドを組み、そこへ同郷の友人・玉田がドラムで加わる。トリオJASSの誕生と快進撃。ライブを重ねて日本随一のジャズクラブへの出演を目指す、ジャズ王にオレはなるっ!なお話にワクワクしっ放しだった。

所々で差し挟まれるフラッシュフォワード、関係者たちの証言も、物語に立体感を与えていて巧い。特に玉田の述懐、自分もあそこにいたんだっていう矜持は泣けた。この子は凡人代表だもの。そんな彼の成長を見守り続けてくれたお客さんがいたのも良かったなぁ。

感動のラスト・ライブもボロボロ泣いて、音楽が与えてくれる多幸感で満たされたひとときだった。「マイケル・ジャクソンTHIS IS IT」(2009)を鑑賞した時と似た感慨でしたね。

声を担当した山田裕貴、間宮祥太朗、岡山天音の3人もとても良かったと思う。間宮祥太朗は「他の2人が声優さんだったらこのオファーは受けなかった」と語っていた。とてもクレバーな人だと思う。ここは役者さんの表現やテンションで正解だったんじゃないでしょうか。
ぽん

ぽん