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BLUE GIANTのfumingのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
3.2
原作マンガの日本編をコンパクトにまとめた劇場版作品。
個人的には期待してた分少し残念だった。というのも映画の尺でやるには不要だというのは理解しているものの、原作ブルージャイアントの魅力は主人公の姿を見た子供が音楽と出会ったり、全然主要人物では無い大工さんが楽器を始める1エピソードなど「音楽はビジネスでも特別なものでも無く、どこにでもあるし誰にだって身近なものなんだ」といったメッセージを感じられるワンシーンの積み重ねだったと思う。その辺が殆どカットされてしまっているので、本作は少し月並みな青春サクセスストーリーのみの内容なってしまったかと。
また音楽は良いものの、モーションキャプチャーが若干甘く、引き画の演奏シーンでは主人公たちが何だか小刻みに揺れてるだけみたいな様子となっていた。なんなら地上波のバンドとかスポーツアニメの方が動きが良いぐらい。スラムダンクを観た直後に視聴したので、よりその差を歴然に感じてしまって「え、そんなに予算もらって無いの?」となってしまった。

総評すると、コンパクトな良作には纏まったものの少し薄味な作品であったかなと思う。淡々と演奏を観ている(聴いている)シーンが長く、ストーリー部分が毎週放送されてるアニメの総集編を見せられているような感覚であった。また演奏もやはり映画館の音響で聴いてこその魅力だと思う。個人的には2000円チャージのジャズライブを聴きに行ったくらいの感覚であった。
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