映画自体は、スポ根×演奏×演出で最高にアツかった。さらに感動したのはサントラを聴いたとき。演奏者(大たちキャラクター)への理解と共感があるおかげで、音から受け取れる情報量が多くなる。これは現実のアーティストには感じたことのなかった感覚だった。
リアルな人間は、容姿とか出自とかSNSでの発言とかスキャンダルとか…色んな側面を持っているわけだが、それは音楽を聴くのに、個人的にはノイズのように感じることが多い。だからなるべく切り離して受容する。対してフィクションのキャラは物語に必要な側面だけが、つまり演奏を聴くのに必要な側面だけが描かれる。よって、その全てがプラスに働くと思う。サックス・ピアノ・ドラム、音がそれぞれ際立って聴こえてくるし、大たちの感情や映像(演出)も思い浮かぶ。ここまで共感覚的に音楽を聴いたのは初めてだった。
言うまでもなく、映画のために現実でジャズを演奏した上原さんたちがいるわけだが、サントラを聴くときは半目で。
