えいがたろう

BLUE GIANTのえいがたろうのネタバレレビュー・内容・結末

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

唯一素人でバンドに入り、しばらくして抜けた身としては、玉田くんには、あの二人じゃなきゃダメなんだと思いつつ、また違うバンドとの出会いがあって欲しい。

楽器をやろうとさえ思わず生きてきた自分と、小さい頃から楽器に夢中になり、それなしじゃ生きていけない人たちとの積み重ねの違いや根本の音楽愛の深さは、上達するほどより鮮明に見えてくるものだった。心底楽しくてしょうがない人たちの中で唯一恐怖心を感じてしまい、毎回打ちのめされる日々。

玉田くんはそれに対して、四の五の言わずにただひたすら練習して、おそらくトイレでも風呂でも電車のなかでも、一秒を惜しんでドラムのことだけを考えたんだろう。それでも一年だなんて短すぎて発狂するだろうことが、もう既に魅力に取り憑かれているし、彼はあの二人とやるのが楽しくてしょうがなかったんだろう。玉田くんのあの涙の重み…。