RISA

BLUE GIANTのRISAのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
5.0
ー 彼らは青く輝いていた。

世界1のサックスプレーヤーを目指し、
仙台から東京に上京した主人公、宮本大と
彼のジャズバンド”JASS”の物語。

原作となる漫画は
2013年から連載されていたみたいだけど
物語とか全く知らない状態で鑑賞、、

もともと子供の頃に3年間、
部活でテナーサックスを吹いていた私にとっては
テナーの音だけでグッときてしまうんだけど
ストーリーもとにかく、アツかったな〜 

まずは何よりアニメーション作品といえど
本格的なジャズの音色と
音楽っていう形のないものを
アニメーションっていう形で表現する演出力。
そして、魅力的なバンドメンバーの
キャラクターや無駄のないストーリー展開。

終盤のJASSのライブシーンでは、
TAKETWOのママさんのように
ひたすら号泣してしまったな〜笑
というのも、大人になると憧れとか夢に対して
真っ直ぐにエネルギーを注げなくなってしまうし
社会的、現実的、効率的なんて考え方を覚えて
色んなことを諦めてしまうよな〜って。

そんないわゆる、つまらない大人の私からすると
世界1のジャズプレーヤーになるって夢に
誰よりも真面目に、ただただ真っ直ぐに
駆け抜けていく大の存在には
かなり惹きつけられてしまって。

そんな彼に魅力されて、
感化されていくキャラクターたちの姿や
夢っていう未来的で、曖昧なものを
1つずつ現実的に、形にしていく物語にも
グッときてしまったな〜

それに改めて音楽って、
感覚的でパーソナルなもので
すごくエネルギーに溢れたものだなと、、
加えてジャズってジャンルはきっと
自分の感情っていうその場で溢れる
インスピレーションやエネルギーを
楽器を通じて音に乗せて届ける
生ものだと思うから、
今まできちんとジャズを聴いてこなかった
私にとってはとても新鮮な感覚だったな〜

あとは個人的に、
玉田くんの初ステージのときのあの
焦りとか恥とか動揺みたいな感情が
手に取るように共感できてしまって
すごく心が痛くなったな〜。
(私も新譜を練習で合奏するときに
楽譜の音符も音も拾えなくて
ただただ時間が過ぎていくみたいな
状況を体験した事があったから、、)

そんな人間の感覚的で感情的な部分を
ものすごく刺激してくる大作でした◎

昔を生きた大人にも今を生きる子供にも
きっとどんな世代の人々にも
刺さる作品だと思うな〜
RISA

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