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やがて海へと届くのgakkoのネタバレレビュー・内容・結末

やがて海へと届く(2022年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

原作を読んでいて、すみれの世界は映画でどのように表現されるのか楽しみでした。
とても優しいアニメーションで表現していて、こう来たか!と思いました。
グロテスクになるであろう場面も優しく、でも意味のある表現でした。

私は東北出身者で3.11の被災者です。
津波の直接的な描写があったら嫌だなと思っていましたが、それがなく想像力に任せる、そんな描写で良かったです。

すみれとまな出会ってすぐの居酒屋の、トイレでの嘔吐のシーンは、少し嫌な気持ちになりました。原作にはないですし、そこまでの描写はいらないのではないかと感じました。
また、レズビアン要素が多すぎるかなと
思います。
原作では、なんとなくそんな雰囲気とも捉えられるかな、程度なのですみれがキスしたり、ビデオテープを回したり、そんな場面は見たくはなかったです。
特にビデオテープは個人的にはかなり違和感でした。ビデオテープを切った時の音も、大きすぎて長くて、耳障りで、あまり意味を感じませんでした。
すみれが人との距離を作る性格というのを表現したかったのかなと思いましたが、しっくりは来なかったです。

遠野くんは、原作通りの表現でした。
付き合っていながらも、すみれになんとなく距離を感じている。大事にしているけど、すみれも自分と同じ気持ちなのかどこか不安がある。すみれの死を認めたくない一方前に進みたい。そんな気持ちが伝わってきた演技でした。さすが杉野遥亮さんです。
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