鎌谷ミキ

やがて海へと届くの鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

やがて海へと届く(2022年製作の映画)
4.0
【私たちには世界の片面しか見えてないんだよね】

[あらすじ]映画ナタリーより
真奈(岸井ゆきの)は、自由奔放な魅力を持つ親友のすみれ(浜辺美波)に憧れていた。 ある日、すみれは“海を見に”と言って突然消息を絶ってしまう。 親友を失ったことを受け入れることができず、真奈はすみれを探し、何度も海を訪れた。 しかし、すみれには真奈も知らない秘密があった。

[レビュー]
遅れながらGWでU-NEXTポイント消費!三作目は、こちら。どう頑張ってもこれぐらいだわ。

本作は同名小説の映画化。ジャケットから想像できないような東日本大震災の話がメインになってきます。

OPからビックリさせられました。なんのアニメが始まるんかなって。のちに、そのアニメが意味することがわかってきます。

これを見ると私たちは当事者にはなれない。けれど、気持ちに寄り添うことはできる。そんな気がします。

日本アカデミー主演女優賞を受賞した岸井ゆきのさんの魅力が詰まった作品でしたね。3人の男性からお呼びがかかるほどに。
そして私からしたら女カメレオン女優浜辺美波さん『君の膵臓をたべたい』から観てるんですけど、すぐに見つけられた試しがない😅『シン仮面ライダー』観ても結びつかなかったし、今回の役も髪型がやたら変わるから、あなどれません。流石実力派同士、親友の信頼関係を感じるいい演技合戦してましたよ。

すみれが何気なく言う「(相手の)チューニングを合わせる。ラジオみたいに」が残ってて。コミュ障気味の真奈がすみれにどうしたら誰とも話せるようになるの?ってことなんだけど、実はすみれも…というのが後半でわかる仕組みです。

「海の音が心地よい人もいれば眠れない人もいる」みたいなセリフもあって、人によりけりなんだな。これって何でも当てはまると思う。だから、押し付けちゃいけないんだよね、自分の意見を。真逆の人もいるんだから。レビューも勉強させてもらってますよ、私★5だけどその人には★1の価値しかないこともある(事実です)

アニメの意味していることと、すみれが何を考えて東北に行ったのか。行方不明だと相手がもうこの世にいないと思うことが心の安らぎになることもあるという現実。小説未読だからどこまで忠実かわからないけれど、東日本大震災の被災者さんの声を聞けた気がします。観てよかった系のしずかな作品でしたね。
鎌谷ミキ

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