クラウドアトラスみやちゃん

ラーゲリより愛を込めてのクラウドアトラスみやちゃんのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
4.5
【一言感想】年末の映画はこれで決まり!アニメならスラダン、実写ならラーゲリ!
特に犬好きなら全員に観て欲しい!大切なことなので2回言わせて欲しい。犬好きなら絶対観て!!!😆

【鑑賞前に知って置いて欲しいこと】
ラーゲリとはロシア・シベリアの地名で多くの日本人が旧ソビエトにより強制労働をさせられた場所。
旧ソ連は日本の敗戦が濃厚となった1945年8月8日、日ソ不可侵条約を破棄。あろうことか翌8月9日に参戦してきた。正に今年のウクライナ侵攻のように。満州は旧ソ連に突然の攻撃を受ける。
映画はその参戦の日の幸せな結婚式の風景から描かれていく。
旧満州、樺太、千鳥からシベリアへ送られた日本人はその数57万5千人、その内幸運にも日本に生きて帰還できた人は47万3千人。残りの10万2千人もの日本人は生涯日本の地を踏むことはなかった。その割合にして2割もの罪もなき日本人が尊い命を最果ての地シベリアで落としたのだった。
シベリア、ラーゲリでは零下40度にもなる過酷な環境の中、わずかな食糧(一日黒パン350グラムとスープ)のみを与えられて重い労働を強いられ、凍死、餓死、病死などで命を落とす者が続出した。
本作はそんな強制労働所で人間としての尊厳を失わず希望を信じた実在の人物、山本幡男を描いた作品。

【感想】丁寧に描かれるラーゲリでの生活。二宮和也演じる山本幡男の半生。豪華なキャスト陣。ラスト迄の脚本。最高。
安定の二宮和也と松坂桃李。この2人は全く心配は要らない。どんな難しい役でも安心して観ていられる。
安田顕の演技は彼にしかできない演技だし役所。彼なしにラーゲリの映画化はなし得なかった。そんな存在。安田顕の代表作となることだろう。
北川景子、もはや邦画の大作で時代物にはなくてはならない存在。スクリーン映えするその立ち姿は惚れ惚れするくらい😍
奥野瑛太も素晴らしい。でもファンからすると少し物足りない。出番を最低でも3倍にして欲しい😆
中島健人、良かった!いつもの軽い感じでなくてきちんと演技をしていて好感度アップ!米アカデミー賞の実況はもうやめて欲しいなぁ😆
中島歩、そう来ましたか!サプライズですがナイスチャレンジですね!
酒向芳、いつぞや邦画でなくてはならないポジションに。
クロ、最高だよ!君は!日本アカデミー賞、最優秀ワンダフル賞は君だ!

最後に、終戦を迎え武装解除した57万5千人もの日本人を襲った最大の悲劇。それがラーゲリのテーマになっています。重く大きなテーマですが本作は逃げずに丁寧に描いています。
今年で戦後77年、そんな時に隣国がウクライナに侵攻を行いました。その突然さは正に旧ソ連が満州に攻め入った時のことを彷彿とさせます。
戦争が身近に感じられる今、本作の訴えようとしていることはとても大切なことだと思います。
多くの方にこの映画が届きますように。そして今、大変な方々に希望がありますように!