あき

ラーゲリより愛を込めてのあきのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
4.5
戦争を始めるのも”政治”であり、終わらせることができるのも”政治”だ。
でも馬鹿げたイデオロギーの妄想に取り憑かれた権力者が自分の偏執狂的な価値観に拘る以外の視野を失い引き際を図ることさえ放棄し、それによってそんな権力者のプライドなんか全然関係ない多くの”ごく普通の幸せを求める権利のある人々”が犠牲になり、涙する。
過去の政治的過ちにより世界的に凄惨な経験をして学んだ世界が二度とこのようなことは起こさないと固く決意したと思っていたのは結局儚い”希望”でしかなかったことに気付き、いつでも愚かなごくわずかな政治家のために多くの一般市民が犠牲になることを我々は現在進行形で目の当たりにしている。
なのに、”国民の責任のもとに”、日本もまた別なステージに歩みを踏み出すことを決断してしまった。
すべては”政治”の責任なのだ。
この映画のメッセージは重く、ほとんどの人が涙なしには見れないだろう。
でも現実は、確実にこの映画のメッセージとは真逆に歩み始めている。
あき

あき