レモネードサンドウィッチ

ラーゲリより愛を込めてのレモネードサンドウィッチのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
3.0
シベリア抑留、現代を生きる人の大半は言葉では知っていてもイメージするのは難しい。形に残す意味があるなぁ、と。
ノンフィクションからなるストーリーを家族愛のドラマに形成し、登場人物の演技も一人残らずいい。松坂桃李が主人公の母と自身の母への想いを重ねた演技は秀逸。それまでの自身への後悔や葛藤も相まって素晴らしい。

演技が皆良いからなおさら浮彫りになるのか。
作品の仕立て方が
「テレビっぽい。2時間ドラマっぽい」
のが気になった。映像なのか光彩なのか脚本なのか演出なのか?? なんだろう。

映画・ドラマどちらがいいというのではなく、「映画じゃないものを映画として見ている」居心地の悪さをずっと感じていた。良い話なのに。

また、家族の愛は世代を超えて引き継がれることを伝えたかったのだろうが、時代を変えたラストシーンはもっと視聴者の想像に委ねて終わっても良かったのではないかと。
ネタばらしの時代だからか「言いたいことは全部言葉にしちゃいました」なのが益々テレビっぽくて少々鼻白み、それまでがもったいなくなって残念。