碧翠

ラーゲリより愛を込めての碧翠のレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
4.5
「帰国(ダモイ)の日は、必ずやってきます。」

第2次世界大戦終結後。シベリアにある強制収容所で過酷な生活を強いられる日本人捕虜たちは、絶望の毎日を送っていた。そのうちの1人である山本幡男は、いつか帰国できると信じて周囲の人々を支えていく。

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シベリアに抑留された日本兵達の実話ベースの映画🎥ラーゲリとは強制収容所の事

もらい泣き、そしてまたもらい泣き
ご視聴の際は一抹の覚悟と一枚のハンカチを

ネタバレ含みます⚠️↓↓↓











































辛くて辛くて休憩を挟みつつ落ち着いてからじゃないと見られなかった

満州ハルビン
冒頭結婚式のシーン
山本氏「素晴らしい門出だ、素晴らしい結婚式だ」

家族と満州から脱出を試みるが空襲にあい山本氏だけ離別し日本敗戦
山本氏はソ連兵に拿捕され虜囚となりて貨車でシベリア送りに

厳しい環境下で自分1人でも生き残れるかもわからないのに、体制に逆らい周りを励まし生き抜こうとする山本氏の胆力たるや…
それでいて粗野な所もなく知的で紳士で…
だんだん周りの荒んだ兵隊達の精神的支柱になっていく

そんな山本氏だからこそ病魔に犯された時に周りの兵隊達が命の危険を顧みずハンガーストライキをしてくれたんだと思う

「生きてるだけじゃダメなんだ、ただ生きてるだけじゃ」
「それは生きてないのと同じ事なんだ。」
「俺は卑怯者を辞める。山本さんのように生きるんだ。」

松田(松坂桃李)の言葉に皆胸打たれハンストを始めたシーンでとうとう涙腺のダムが崩壊した
ソ連側が折れて山本氏は大病院で診察される運び
敗戦後、ソ連側からはじめて勝ち取った命懸けの戦であった

山本氏は癌に侵され無念の逝去
実に抑留から9年の月日が経っていた

そして日ソ国交回復
10年目にして抑留されていた兵隊達は帰国の途に就く

流氷を割る引き上げ船を追いかける犬のクロ
なんとこれも実話だそうで調べてみると、兵隊達に助けられるクロの写真が残っていました

山本氏が亡くなった知らせを受け嘘つき!と泣き崩れる妻のモジミさん(北川景子)を見るのが辛くて辛くて…

その後、ソ連兵に遺書が没収されるので
1人1枚暗記し山本邸を訪れる帰還兵

ひとりまたひとり
「遺書をお届けに参りました」
遺書を諳んじて涙す帰還兵

そして最後の一人
山本氏を嫌っていた桐谷健太
モジミさんに「おかえりなさい」と言われ涙す

時代飛んで2022年
山本氏の長男 孫娘の結婚式にて
父とハルビンの結婚式を思いを馳せ
「素晴らしい門出です。素晴らしい結婚式です」
幡男の言葉「よーく覚えておくんだよ、今日という日を」を新婦へ贈った。

Oh my darling, oh my darling
Oh my darling, Clementine

如何な環境でも人間らしく
人として忘れてはいけない事がある
それが生きる糧、希望に繋がると教えてくれた気がしました
碧翠

碧翠