ヒロオさん

ラーゲリより愛を込めてのヒロオさんのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
3.3
シベリア抑留を経験した日本人、山本幡男を描いた作品。

鑑賞後に調べて驚いたが、この話は全て実話であるとのこと。

日本の降伏後、満州にいた日本兵はソ連の捕虜となった。
彼らはラーゲリと呼ばれる収容所へ送られ、戦犯扱いされた者は戦後も長きに渡り、マイナス20度のシベリアで過酷な労働を強いられた。

山本幡男もその一人である。
日本への帰国が絶望的な状況下において、仲間に希望を与え、彼らの精神的支柱となった人物である。
当人は残念ながら病により帰国が叶わず、収容所内で亡くなった。

本作はそんな山本の生き様と家族愛を描いている。

本作がキッカケとなり、シベリア抑留について調べることができた。
その点において観て良かったとは思うが、映画としては好きにはなれなかった。

何となく綺麗に纏まっている感はあるが、内容は表面的で薄く、演技もクサい。

シベリア抑留の過酷さを伝える描写はアッサリとしている一方、人間ドラマはオーバーで尺も長い。
冬になると2メートルも凍る土地で、土木作業に従事させられた悲惨さは伝わってこなかった。
それでいてお涙頂戴なのが見え見えなのが、耐え難かった。

そもそも戦争映画で感動させようとしてくるあたり、モヤモヤする。

この監督とは相性が悪いかも。

舞鶴が日本唯一の引き揚げ港であるとは初めて知った。
ヒロオさん

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