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ラーゲリより愛を込めてのLEOのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
4.0
ロシア語が堪能なため満鉄調査部に勤めていた山本幡男は、終戦でソ連軍の捕虜となりハバロフスクの収容所(ラーゲリ)に送られ、そのままシベリアの収容所に移送されることになる。
冬季は零下40度にもなる過酷なシベリアで強制労働や敗戦国に対する理不尽な仕打ちに多くの仲間が人間性を失っていくなか、幡男はひとり希望を持ち続けることを訴え続けたが次第に体調を崩し咽頭癌によって45才で亡くなってしまい、家族に宛てた遺書まで没収されてしまう。
そして1956年、ようやく帰国が叶ったラーゲリでの仲間たちは、あることを伝えるために一人また一人と幡男の家族の家を訪ねるのだった…という話。

毎年その年の一番最初の映画は映画館で観ると決めているので、元旦早々映画館に向かったものの、観たい映画が全て満席で入れなかったので拗ねて帰って来てこの映画を観ました。

もともと史実を描いているだけに話の内容は説得力云々を言う次元の話ではない。
いい話だし(こういう悲惨な史実を「いい話」と言っていいのか分からないが)、俳優陣も実力派をズラリと揃えていて観ごたえもある。
でもちょっとそれが過ぎているというかそれに頼り過ぎているというか。
細かいところにもっと目をむてけほしかったなぁというのが歴史好きの率直な感想。
だって長年収容中だと言うに顔が綺麗過ぎるし、歯も綺麗で身だしなみも整い過ぎている。
シベリア抑留という、あまりに不等で残酷な扱いに命を落とした方が何万人もいるんだという事実が少し作り物っぽく見えてしまったなぁ…。

悲惨すぎるからわざとそうしたのかもしれないけどね。
でも10代、20代の人たちに特に観てほしい映画でした。
LEO

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