インドで最下層カーストの女性たちが立ち上げた新聞社を追ったドキュメンタリー。
インドの最下層カーストとはいえ、記者たちの家庭環境がものすごい。
ローティーンで結婚して子供もいる人、家に電気が来てない人、アルファベットが読めない人…。
それでもおそらく彼女たちはマシなほうで、取材を受けてる人たちは政治家も警察すらもまともに相手をしてくれない境遇であるという現実が重い。
そういった人々の声を拾い上げることに奮闘する記者たちをカメラは淡々と追うわけですが、出てくる男がどいつもこいつもぐーたらしてるか無駄に偉そうかのどっちかで、インド社会の前時代さを思い知らされます。
そして最近のインドはモディ政権のもとヒンディー的価値観へ回帰しつつあって、これは伝統的価値観への回帰でもある。つまり「女は家にいろ」みたいな価値観ですね。
記者たちはそこに危機感を覚えているけれど、血の気の多そうな奴らをなるべく刺激しないように丁寧に取材していく。
このへん、政治思想とかにはあまり深く触れませんがモディ政権が圧勝したことを決して肯定的にとらえていないことが伝わる作りでした。
民主主義はもろいからちゃんと守らなければ、というメッセージは本当に重要。日本もそうなりつつある気がすごくするので。
