グッチー

アウトサイダーのグッチーのレビュー・感想・評価

アウトサイダー(1981年製作の映画)
3.5
シアターイメージフォーラムのタル·ベーラ伝説前夜の特集上映で鑑賞しました。

社会不適合の芸術家という紹介文から、勝手に山本周五郎の『虚空遍歴』とか、そっち系の芸術に熱狂しすぎて狂ってしまった話かなぁと思っていましたが、看護の仕事の片手間にバイオリンとかDJをやってる程度の話であったため、ちょっと肩透かしにあった感じでした笑

ただ、タル·ベーラ監督の求める当時のハンガリーのリアルという意味では、あれくらいのちょっと音楽好きです的な無気力青年が丁度良かったのかなぁとか、見終わってから考えました。

自分の子供か分からないのに養育費を払ったり、結婚生活がうまくいかないにも関わらず、特に悲観的になることもなく、音楽をやっている主人公は、どことなく『白痴』のムイシュキンなどの聖なる愚者の系列なのかなぁとか思いました。

タル·ベーラ監督にしては珍しいカラー作品であり見ることができて良かったですが、その後の「サタンタンゴ」とか「ニーチェの馬」などの代表作にはそのまま結び付くような作品ではないのかなぁという印象でした。

それにしても、主人公役の綺麗な青い瞳がかなり印象に残りました笑
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