kazuki

ブラック・フォンのkazukiのレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
4.0
ジョー・ヒル(スティーブン・キングの息子)の短編小説が原作で,スコット・デリクソンが監督...そしてブラムハウス! これは面白いに違いない!! という事で鑑賞。

因みに原作小説は7/19に『ブラックフォン』のタイトルで出ますが,既刊の『20世紀の幽霊たち』に収録されているのでそちらで読めます。

。あと どうでも良いんですけど,, 本作と『リコリスピザ』、『X 』と70年代舞台の映画公開が重なっていて、その雰囲気の違いを見るのも楽しいかもなぁとふと思いました。
リコリスピザは置いておいて、2作のホラーは1974年『悪魔のいけにえ』で繋がる筈です🙃

⬛️さて、本作ですが
兎に角泣けました。
スティーブン・キングは割と泣けるというのもファンの間で言われてる事ですが、ジョーヒルもその要素がふんだんに,,

また、伏線回収の凄さが印象的でした。
伏線回収というと、「先に出てきたものが後で出てくる事。そして、それがそうとは分かりにくい程良い」という風に最近は思われている気がしますが、「劇中で出てきた諸々が最後一気に纏まっていく」というのが伝統的かつ1番アガる伏線回収だと思います。
その意味で本作は最高! 本当にお手本か!? って思いました。

⬛️ホラー+子供の成長譚
とても怖く,同時に感動的。

何より良かったのは、基本的に子供の成長譚として描かれている事です。大人は全員役立たず, 兄と妹はそれぞれ自力で成長するしかない, しかし完全に1人で という訳ではなく, 先人達の残した軌跡が踏台となる。我々が本質的には1人ボッチであり、しかし歴史の中で無限の他者と繋がっている事を思い出させてくれます。


※以下小ネタ
・マスクのデザインはあのトム サヴィーニ

・原作は、実在の殺人鬼ジョンウェインゲイシーに着想を得ているとの事。彼は1972〜78にかけて33人の青少年を殺害。

・劇中で見ていた映画は『ティングラー』

・黄色いカッパは『it』と同じもの
kazuki

kazuki