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僕を育ててくれたテンダー・バーのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

3.5


“ボルボでヤったことある?”




あまり使いたくない言葉たが、所謂“親ガチャ”による不運を背負った少年が、兄貴のように寄り添いながら『男の作法』を伝えてくれる叔父さんとのハートフルドラマを淡々と描いた自伝ベースの作品。

子供から少年へ、少年から青年へ、そして青年からいっぱしの男へと成長していく、ある種ロードムービーのようなテイストは、好きな人は好きな雰囲気だろうなと。

ただ、少年から男へと成長していくJRは目に見えてその容姿が変わって行くのに対して、ママと叔父さんの容姿が時を経ても殆ど変わらないのが違和感でしかなく、今ひとつ入り込めない惜しい作品。
個人的に俳優業のジョージ・クルーニーは結構好きだが、監督作品として印象に残るものはこれまで無かったので、期待値はそれほどでも無かっただけに、予想に反してそれなりの余韻や味わい深さは感じることが出来た。
逆に、【アルゴ】のような傑作を撮ったベン・アフレック自身がメガホンを取ったらどうなってたろう?と余計な想像でニヤついてしまうって言う、、、


余談はさておき。
何とも哲学的であり、また文学的表現も多い本作から学ぶ生き知恵のようなものは間違いなく幾つも散りばめられているので、数年に一度、繰り返し観る事で沁み込んでくる良さがありそうな作品なのかなぁと強く感じた為、もう少し経験値を重ねた数年後にもう一度観てみたいなぁと率直に思ってしまった、、、そんな作品。
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