たま

僕を育ててくれたテンダー・バーのたまのレビュー・感想・評価

4.0
バーの名前は「ディケンズ」
バーを侮るなかれ。

文学に精通していながら、大学にも行けず、地元でバーを経営している主人公の少年の叔父、ベン・アフレックが良い。
父親代わり、いやそれ以上の関係だ。
少年にする人生のアドバイスがシンプルで的確。

主人公の少年は、幼い頃からバーに通い、色んなタイプの大人と接してきた。
叔父の文学コレクションも少年の心を豊かにしていく。

少年の母親は、夫から逃れるため渋々自分の田舎の実家へ戻る。
夢は少年をイェール大学に入学させることだ。負の連鎖を断ち切りたかったのだろう。
その想いは少年にもしっかりと伝わっていく。

変わり者の祖父母や叔父叔母、従兄弟と、雑然とした環境の中育っていく少年。そしてバーの常連客たち。

たとえ父親から愛情を受けられなくても、身近な誰かから愛される大切さを感じる。特に叔父の存在は絶大だ。

限りなく地味な映画だけど、レトロな雰囲気とじんわりと心に響く優しさ。

監督はジョージ・クルーニーだ。

そしてベン・アフレックもいい役者になったなぁと感心しきりだった。
たま

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