バーの名前は「ディケンズ」
バーを侮るなかれ。
文学に精通していながら、大学にも行けず、地元でバーを経営している主人公の少年の叔父、ベン・アフレックが良い。
父親代わり、いやそれ以上の関係だ。
少年にする人生のアドバイスがシンプルで的確。
主人公の少年は、幼い頃からバーに通い、色んなタイプの大人と接してきた。
叔父の文学コレクションも少年の心を豊かにしていく。
少年の母親は、夫から逃れるため渋々自分の田舎の実家へ戻る。
夢は少年をイェール大学に入学させることだ。負の連鎖を断ち切りたかったのだろう。
その想いは少年にもしっかりと伝わっていく。
変わり者の祖父母や叔父叔母、従兄弟と、雑然とした環境の中育っていく少年。そしてバーの常連客たち。
たとえ父親から愛情を受けられなくても、身近な誰かから愛される大切さを感じる。特に叔父の存在は絶大だ。
限りなく地味な映画だけど、レトロな雰囲気とじんわりと心に響く優しさ。
監督はジョージ・クルーニーだ。
そしてベン・アフレックもいい役者になったなぁと感心しきりだった。