サトタカ

僕を育ててくれたテンダー・バーのサトタカのレビュー・感想・評価

4.0
ベン・アフレックが少し苦手なんだけど、彼が出てる映画はよく観てる。むさ苦しい、男くさい、なにかしょってる感じが嫌なのかな?ケツアゴと。
でも、このテンダー・バーこと「ザ・ディケンズ」のマスター、ベン・アフレックはどう見てもカッコよくて、実際にいそうなリアリティもあって、素直にベン・アフレックっていいなぁーと思えた。

主人公(タイ・シェリダン)のお母さん(リリー・レーブ)が美人でかわいい。ありゃマザコンになっても仕方ないね。

昔は男らしくあることが尊ばれ、そういうのが苦手な少年も頑張って男らしく振る舞おうとしていた。しかし2020年代では、有害な男性性、トキシック・マスキュリニティとかいって男らしさは嫌悪されるようになってきている。保守からリベラルな多様性尊重に。
そういう反動もあって、こんな作品が作られるんじゃないのかな。

終盤のジャクソン・ブラウンの「I thought I was a child」の歌詞にあるように誰もが時代に囚われて生きているから、時流に翻弄されようと憤ろうと何ともならない。古き良きアメリカを懐かしんで目を細めていそうなジョージ・クルーニー(この映画の監督)の横顔をほんのり思い浮かべる。

最後の曲は、スティーリー・ダンの「Do it again」。
結局、男は(時流に乗り切れず)また愚かしい男らしさを繰り返すようになるんじゃないかっていうメッセージかもね。

男から少年への教育は続く。(特にアメリカの田舎で)
サトタカ

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