このレビューはネタバレを含みます
DUNE Part 2、先行でIMAXで見てきました。いやあPart1は本当に序章だったんだね。あれを退屈だったと思った人こそ見に行った方がいいと思った。
まずそもそもPart1を私はさんざん見てるんですけど、あれは映画としては確かにだいぶ退屈だったと思うの。ただキャラが良すぎた。私は絵にかいたような貴種流離譚だな！と思って何回も見た。
でもその反省もあったのだろうけど、Part2はずっとエンタメに振ってた。
基本的な状況説明はPart1 で済ませているから、Part2はどんどん事態が変化し、ずっと名前だけだった皇帝も出てきてピュー子が事態を解説してくれるし、ベネ・ゲセリットの「意図」とその怖さがどういうことなのかはっきりわかるし、いろんなパターンの戦闘シーンがこれでもかと入るし、映画としてずっとバランスがよく、キレキレのカットが畳みかけてくるのでもう目が嬉しい。
IMAXのでかいスクリーンで、砂虫が現れるときの振動を椅子から感じ、頭から砂を浴びているような気分になる。視界いっぱいに砂漠が広がり、没入感がすごい。
レベッカ・ファーガソンはまさに「魔女」が似合うし、レア・セドゥが出てきた瞬間内心大拍手！だった。まさに「ベネ・ゲセリット」（ジェセリットって発音してるのがどうにも気になるが原作の翻訳準拠なんでしょうかねしょうがないね）の違う意味での「刺客」とわかるシーンはもうなんか「納得感」しかなかった。レベッカ・ファーガソンとは違う種類の魔女似合いすぎ。出番は短いけど圧倒的存在感。
そしてオースティン・バトラー。
いま、Masters of the Air毎週見てるので、「うわぁ別人！」感がすごかったんですが（当たり前）、フェイドはポールと対になるキャラクターとしてものすごく大きな役になっていて、「お誕生日祝い」（笑）のシーンのモノクロのカットには痺れてしまったわけですが、その巨大すぎる舞台にも、デイヴ バウティスタに靴を舐めさせる（！）シーンにも似合っていてとてもよかった。
ちなみに彼とポールの決闘シーン、Part 1のガーニーとのトレーニングシーンと綺麗に呼応していましたよね？
Part 1の台詞を受けている、みたいなところが随所にあってそういうの大好きなのでとてもよかった。背中を見せるなとか足音で分かるとか、そもそもpart１の冒頭のチャニのナレーションが実際にはポールに向かって話しているシーンだとわかるくだり（ポールの予知夢？と思っていた）とかいちいち興奮しました。（覚えきれてないだけでもっといっぱいあった）
とはいえ、原作由来のもやもやはやっぱりある。60年代の作品ぽいな、と思わざるを得ない、白人救世主的なそもそものテーマと、根底にミソジニーが詰まっている感じのベネ・ゲセリットの設定や、ドラッグ的なものに対するポジティブさも。（ほんとに受胎ネタが好きだなヴィルヌーヴ、とはやっぱり思ったわけですけど）
でも映画ではそのあたりに対する現代的解釈というかやわらげ（？）はだいぶ働いている気がした。もはや原作を読んだ記憶が遠いかなたなので（Part 1を何回も見たのに原作は読み直してなくて申し訳ないが）ちゃんと比較はできないけど。
ポールは救世主と呼ばれることを避けようとし続けるし、「ベネ・ゲセリット」としての立場を明確にする母を非難しさえする。「命の水」を飲むリスクについてはものすごく非難されるし、「クイサッツ・ハデラッハ」の伝承ははっきりと「思考操作」あるいは狂信？として描かれるし、フレメンも一枚岩ではなく「原理主義者」に反発する層としてチャニが描かれ、結構な尺でチャニ目線でポールを見ている。そこがポールとの別れとも綺麗に対比されている感じ。
ハビエル・バルデムがティモシー・シャラメを崇め奉っていく展開には正直もやったけど（中の人の名前で呼ぶなですが）、でも少なくともすごく頑張って現代の映画としてアジャストしようとした感は伝わってきたので、目が喜んでるのを素直に楽しむことができた。
ガーニーと再会した時にはやっぱりダンカンがいない…と思ってしまったんだけど、とはいえやっぱりジョシュ・ブローリンはよい。今回はちゃんと歌ってるシーンもカットされなかったね！
回想とかでダンカンが出てこないかなーとちょっと期待してたんだけど、カメオ出演はアニャちゃんでしたね。なるほどこういうやり方ならアリア登場もありというわけなのね。（大人になってる状態を２でどうやって出すん？ってみんな言ってたからねー）
Part1を続けて2回見たあとのちょっとテンションのおかしいふせった（全然退屈だったって言ってない（笑））
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