2024年のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。MOVIX京都のドルビーシネマ先行上映で鑑賞。
前作でハルコンネン家の陰謀により絶滅したかに見えたアトレイデス家だったが王子ポールは原住民族フレメンに紛れて生き延びる。フレメンの戦士チャニと恋に落ちたポールは救世主となる予言を受け入れ惑星アラキスを楽園に変えるべく様々な思惑が渦巻く中ハルコンネン家と皇帝に反撃の狼煙を上げる。
前作公開から3年、コロナやストライキで公開が伸びていた待望の続編をついに劇場で目撃。ドルビーシネマの音響はすさまじくシートが揺れるほど。全体の感想としては期待どおりの高い満足感を得たと言える。今作はさらなる続きを予感させる終わり方だったのでぜひ完結させてほしい。
期待どおりの面白さではあったが期待以上と言える要素は乏しかったと言える。1作目ではパッとしなかった主人公ポールだがさすがに今作では見せ場もセリフも多いためキャラクターアークが強くなった。一方でせっかくまともにフォーカスが当たったチャニの掘り下げがまだ弱く魅力が発揮されていない。
ドルビーシネマという環境のおかげもあって166分の長尺ながらデューンの世界にどっぷり浸ることができた。SF大作を名乗って恥ずかしくない画作りに心底安心したし嬉しかった。こないだ観た『ザ・クリエイター』は既視感のあるデザインばかりで退屈で仕方なかったがヴィルヌーブ組はさすがに格が違う。
ただ、画作りにしても語り口にしても期待どおりではあったんだけど期待以上の要素が見受けられなかった点が最後まで引っかかったのは否めない。贅沢な要求であることは百も承知だが、SF"超"大作と呼ぶにはまだ何かが足りない気がする。その何かはきっと3作目にある、そう期待できる2作目だった。
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