このレビューはネタバレを含みます
グラシネ池袋IMAXレーザーGT先行上映で鑑賞。
PART1をDolby Cinemaのシネコンサイズで観て後悔したのでPART2は絶対にIMAX、出来たらGTで観ようと思っていた。やはり迫力が段違いで正解だった。
正直ドラマパートでは無駄に人物のアップが多く特にフェイドがレディ・マーゴに誘惑されるシーンは眠気に襲われたが、砂蟲の登場や派手な戦闘シーンなどは前作が一方的な敗退だった事もあり、重低音を効かせたサウンドも手伝って楽しく観られた。
特にポールが初めて砂蟲乗りに挑んだシーンの砂吹雪や蟲から伝わる振動の描写は迫力があった。
とはいえ気になるところも多々あって。筆頭はPART1で懐妊が分かった主人公ポールの妹アリアが本作ではとうとう産まれなかった事。
原作や従来の映像作品では母ジェシカが教母になる試練で命の水(砂蟲の体液)を飲んだショックで産まれるのだけど本作では胎児のままジェシカと会話するだけ。ポールの幻視に成長した姿(アニャ・テイラー・ジョイ)で一瞬だけ出てはくるけど…
するってぇと何かい?ポールの復讐はアリアが生まれるまでの10ヶ月足らずで果たされたってぇのかい?
本作では命の水の効果で妊娠期間が延びる設定になってるのかもしれないけど一切説明無しないのでモヤった。なんでも言葉で説明したリンチ版も大概だったが原作にも無い描写に説明が無いのはいただけない。
あとはヒロイン チャニの悲劇的な立ち位置が強調されてたのが印象的。演じるゼンデイヤの悔しくて堪らないという表情が素晴らしい。ポールが無表情で何考えてるかさっぱり読めないのと対照的だった。
ヴィルヌーブ監督は次回作として「砂漠の救世主」の映像化に意欲を燃やしているらしいが、アニャ・テイラー・ジョイを主演に是非実現して欲しい。