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デューン 砂の惑星PART2のレオンのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.1
超話題作続編  (近隣 IMAXY先行上映) 前作は人気SF映画ぐらいの評価だった。 だがこの続編は圧倒的な叙情事詩! そう、情も事も壮大に描いている。 エンタメもこういう大人演出の方が私(年配者)には合う♪  4D上映でもないのに、低音で座席が振動する程の音圧! 是非IMAXでの視聴を勧めます。 
(ポールの家系や人物関係の復習もした方が理解しやすいかと♪)

血筋・信仰・予言・思慮・尊厳と見る者にも思惑を与えながら、じっくり、ゆったり魅せ、アクションも相当あるのに早いカット割りはほとんどないほど。 
part 1よりさらに、心理描写にも重点を置く脚本に見入ってしまう。

まあ私は1984年版の「砂の惑星」も何度か観てるので、大方の物語は知っているつもりだったが、演出や細部の進行が全く違っていて、予想以上のシーンが多い反面、後半はもっと分かりやすく描いた方がよいのでは・・と思う事も。(サンドワーム搭乗シーンは1984年版の方が、今作より優れて見える。 84年版にあった音声攻撃機は今作では描かれてない。)

中盤まではポールとフレメン(砂の戦士)達の意思疎通の描写や、圧倒的スケールの香料収穫機との戦闘、そして巨大サンドワ-ム搭乗シーン等、黒澤明やイーストウッド作品の様なじっくり魅せる描写が続き、まさに巨匠監督らと同等級の演出に感じた。

ところがそれ以後がちょっと複雑で、?シーンも見受けられる・・。
えっ味方軍勢がそんなに・・、皇帝がなぜそんな場所に・・今の攻撃はどっち側・・ 等、説明描写がないまま進行している感じで先を急ぎすぎてる感覚に・・。
本当はもっと沢山のシーンがあったのを、3時間未満に抑える為、かなり編集でカットしたのかと思うほど・・。

惜しい・・。 中盤まで★4.3~4.5位に感じた程でしたが、中盤以後が説明不足に感じたシーンが多くこの評価に。
でも後半にも見所は多数あります♪

演技的にはデンゼイヤが複雑な心境を上手く自然に表現していて目に止まり、シャラメはパート1の延長というイメージ。 
「エルビス」を演じた オースティン・バトラーが、人造人間かと思えるほど武闘冷血漢を見事に演じて、前作イメージを覆していた。

後半説明不足はあるも、稚拙ヒーロー物とは全く違う大人演出の本作は必見です♪

↓ ネタバレ



中盤以降の特に戦闘に関してが、説明描写が割愛しすぎに感じた。 フレメンは200人程との台詞があるが、北部軍勢の詳細描写がないまま、大軍同士の戦闘になる。

えっそんな味方大軍がどこから? 絶対的存在の皇帝がいつの間にかハルコンネン男爵らの危険な前線近くに来て、簡単に攻撃されてしまう?・・トンボ型戦闘機で今撃っているのはどちら側? 等、理解が追いつかずに進行するシーンが後半増える・・。

中盤の大観衆の前でのポール対ラウサ(男爵甥)の個々対決シーン等はかなり丁寧に描かれている反面、終盤の断片的大戦シーンをかなり惜しく感じた。
ポールが男爵の孫という設定描写も唐突に感じて違和感が増す。

さらに今作も完結ではなく、part3でさらなる大戦になる様で、昨今の事前情報が知らされないままのシリーズ化はどうも不親切過ぎると感じる。
完結しない事を作中で知った場合の残念感はそれまでの満足感に水を差す。

1作目は全てに明瞭だったが、今作中盤以降の曖昧シーンは、もう一度見れば理解出来るか分からぬが、あと10分ほどでも説明シーンを挿入していたら、傑作級(★4.5以上)の評価に上がったかと。

PS
1985年版「砂の惑星」を見た後に原作も読んだが、30年近く前の文字情報など、もうほとんど覚えていない^^;
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