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デューン 砂の惑星PART2のYLxxのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.8
映像と音楽だけでもうお腹いっぱいどころじゃない騒ぎなのにそれにduneの圧倒的世界観とストーリーそしてドゥニが魅せる人間ドラマの塩梅が完璧で、sf超大作な上ドゥニ史上最高傑作にもなってしまった本作は素晴らしい。IMAX池袋か吹田で見なければならない作品だ。

前半のポール修行戦闘パートやほのぼのシーンはダラーと観れるのだがもうフルサイズに映し出される砂漠は圧倒的。若い二人の淡いラブストーリーは終盤の二人の苦痛と混乱を想起させられ、さらには入り混じる家族同士の憎悪。まさにドゥニ映画らしい脚本構成とストーリーテリング。見終わった瞬間もう一度見たいと思った。ドゥニは人間の心を揺さぶる映画を毎度作ってくるが今回は二つの別々の感情が心を揺さぶる為見ていて飽きない上、鑑賞後の余韻が半端じゃない。
信仰とは人が生きるために必要な物語であり偶像なのである。まさにいま私たちもこのduneを通して家族とは人とは人生とは何かを学び助けを求める。予告を見ていると自分の意志で行動している様に見えていたポールはどこにもおらず自分自身を鼓舞し自らその描かれた道筋へと歩き出す。彼は予言された訳ではないが自ら困難な道を選択せざるを得なくなり突き進む。チャニはフレメンである事に誇りを持つが偶像崇拝はせずさらにはポールを最も理解するものとして唯一彼を崇拝することもない。ラストシーンポールは新たな戦争の為アラキスを離れるがチャニは一フレメンとしてなのか彼女個人としてなのか分からないが彼女は一人春の訪れを故郷で待つのである。

前作でイキってたキャラ全員雑魚化するの面白い。シャーロットランブリングのビビり方には笑ってまう。レアセドゥがちゃんと妖艶なキャラクターで安心と共にありがとう。皇帝最後にあんな正論言うんやからあかんて、それは心の中でポールが一番気づいていたことなのに。サンドワームの件はさすがにアバターすぎた。

2回見た