鶏

デューン 砂の惑星PART2の鶏のレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.0
『人類史の1ページを想起させるSF超大作』

前作「DUNE/デューン 砂の惑星」を観てから早2年半近く。PART2が3月15日公開ということでしたが、3月8日から3日間、先行上映をやるということを知り、いち早く観に行って来ました。3日間も上映するなら、3月8日を公開日にすれば良かったんじゃないかと思いましたが、この辺は配給側にもご事情があるんでしょう。

いずれにしてもようやく続編にありつけた訳ですが、前作同様砂漠での戦いはド迫力。IMAXの劇場で観たこともあり、音響が抜群で、終始自分の身体も振動していました。ストーリー的には、前作から時間が経過しており、正直失念している部分も多かったものの、極端な話前作を観ていなくても楽しめるものだったかなと思います。前作を観た時の感想を振り返ると、主人公のポールが、「スターウォーズ」で言うところのルーク・スカイウォーカーとして成長していくのか、アナキン・スカイウォーカーとして暗黒化していくのか楽しみと書いていたのですが、本作の終わり方を観るとどちらかと言うと後者寄りになっており、PART3があるのであれば、今後の動向も引き続き追っていきたいと思いました。

また前作ではあまり感じませんでしたが、本作ではポールが砂漠の民であるフレメンと行動を共にし、共通の敵であるハルコンネン家と対峙する展開になっていました。この辺り、何処となくイスラムチックなフレメンと、(少なくとも表面的には)共闘する白人のポールの姿が、かの「アラビアのロレンス」の姿に重なった感もありました。本作は全くのフィクションではあるものの、実際の人類史を感じさせるところが最大の魅力じゃないかなとも思ったところです。

一方で、前作で度肝を抜かれたワーム(巨大な虫)の暴れっぷりが、見慣れてしまったからなのか、人間を襲うシーンが減る反面、むしろ人間側(フレメン)が利用していたからなのか、いずれにしてもコモディティ化していた感があって迫力が薄れてしまい、その点はちょっと残念でした。

そんな訳で、ド迫力の音響と映像を堪能できた本作の評価は★4とします。
鶏