ヤスマサ

デューン 砂の惑星PART2のヤスマサのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.5
ドニ・ヴィルヌーブ監督によるデューン・砂の惑星の続編。
過酷な砂の惑星デューンで、陰謀によって父親を殺されたポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)が、原住民フレメンの助けを借りて、敵の皇帝とハンコンネン家への反撃を始めるスペタクル・アドベンチャー。

敵対する皇帝(クリストファー・ウォーケン)の一族やハルコンネン家側に新たな登場人物はがいるものの大きな違いはないが、前作のおさらいと相関図を把握してからの鑑賞が望ましい作品。
前作から続いて、壮大なスケールと重厚感で観る者を圧倒する。
ストーリーは、派遣争いから復讐劇へ、そして大国の興亡といった様相を呈していくが、フレメンの間で広がる期待感やポールの葛藤、また皇帝とハルコンネン家側の焦燥感など、内なる感情が巧みに描かれている。
特にポールが母親を恫喝するように諭すシーンは、逃れられない運命を受け入れたか、非情な選択を迫られる覚悟が出来たかのようだ。
終盤の新たな刺客フェイド・ラウサ・ハルコンネン(オースティン・バトラー)とポールの緊迫感ある格闘シーンは見もの。
オースティンの危機迫る演技に、最早エルビス感は無い。
ハルコンネン家とポールの意外な人間関係に驚かされるが、それがどう影響したのかがよく分からなかった。
またフェイドの子を宿したレディ・フェンリング(レア・セドゥ)やチャニ(デンゼイヤ)の行く末も気になる。
そういった布石になるような事柄を残したまま、ポールが試練を乗り越えた世界は、続編を思わせる終わり方だ。
ドニ・ヴィルヌーブ監督による次なる世界、「砂漠の救世主」を期待したい作品。
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