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デューン 砂の惑星PART2のKEKEKEのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
5.0
- part1でアトレイデスの屋敷にあった巨大なサンドワームのレリーフとポールが対峙する印象的なシーンががあったが(アートブックのジャケットにもなっている!)、現実においても宗教画が何故巨大で、何故あれだけ絢爛豪華に装飾されているのか考えさせられた
- たとえ家で世界中の映画が見れたとしても、それでも映画館に足を運ばなければならないのは巨大なスクリーンに恐怖するためだ、って言ってたの誰だっけ
- 高さ18メートルのスクリーンを半ば見上げる形で鑑賞し、12chサラウンドによる爆重低音が全身を振動させる
- あの瞬間発生したのは紛れもない権力、捩じ伏せる力を手にした救世主と平伏す民の構図そのものだった
- 投影される光を何百人が同時に見上げれば、それはもはや一種の儀礼であり信仰を呼び込む
- ヴィルヌーブやノーランが頑なにストリーミング配信を拒み、IMAXでの劇場上映にこだわるのは、そのスタイルが自分の作品の権力を最大化させる術だと理解しているから
- すなわち映画館の力を信じているからだろう
- 実際には存在しないものを信じさせるため
- ライクアベネゲセリット
- そこに既に物語は存在していて(仕込まれていて)その物語がある世界に私たちは生きているという実感、これを最大まで高める
- これは宗教の実践
- プラグマティックな信仰の物語だ

- 我々はスティルガーのように心のどこかで救世主を待ち続けていて、保守的な攻撃性と被支配欲をアンビバレントに抱えている存在である
- part2では、巨大な力を手にした主人公自身が救世主になることを拒み、それでも大きな流れに飲み込まれてしまうというところまでを描いた(tarだ!)
- 安易な救世主信仰みたいなものへのアンチテーゼをテーマにした作品がこの作品以前にどれだけあったのかはわからないが、現代ではよく用いられているテーマになった
- そもそも砂の惑星があらゆる創作物に影響を与えてきたのだから当たり前ではあるのだが、ストーリー的に今新しいかと言われるとそうではない
- だからこの3時間は物語を進めるための3時間ではなくてそこに浸るための3時間で、もはやIMAXで見るための映画かもしれない
- 見るというか振動を感じる
- ビジュアルと振動を楽しむ最高にエキサイティングな映画
- 配信で見るのは勿体無い
- IMAXレーザーで観たときの感動の度合いで言うとpart1よりも大きかった

- どう考えても影響を受けている進撃の巨人と、砂の惑星、現在進行形で起きているイスラエルとガザの問題、これらを絡めて語っているテキストがもしあったら8万は払えるから読みたい
- part2では戦闘が増えた分、血が出ないのに流石に違和感があった(ハルコンネンを刺すところとか流石にね)
- 前作はスティルスーツから噴き出る水でそれを表現していたが今作の工夫は、冒頭の死体の雨(これマジで興奮した、ドスンドスン命の音が心臓に響いて凄かった!)以外に何かあったっけ
- 何気にフレメンの言語を作っている事が素晴らしい、アバターにできなかったこと
- きっったない花火!
- part3頼む!
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