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デューン 砂の惑星PART2のKANAのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.3

ヴィルヌーヴが描くDUNEの世界へ再び!

前作が"静"の中で燻りながら予感させていた通り、銀河の覇権をかけた壮大な戦いへと動き出す。

全編IMAX撮影で得られる圧倒的没入感!
より攻めたライティング、カメラワーク、ヘビーサウンドで描かれる砂の惑星アラキスの世界観に痺れた。

不気味な赤橙色に染まる冒頭
凄まじい砂嵐
ダイナミックな戦闘
パワフルな羽ばたき機
モノクロで重厚感たっぷりの闘技ショー
ミステリアスな予知夢
ハルコンネン家パートの徹底したダークネス(やはりシュールでもあるw)
スクリーンから飛び出してきそうな砂虫のド迫力

…目で、耳で、右脳で惚れたアートがいっぱい。
ドゥニさん始め、原作を愛してやまない精鋭スタッフたちによる努力の結晶を体感できた。

ストーリーを追ううちに、権力闘争を冷めた目で傍観するようなチャニにかなり感情移入してた。
ポールの苦悩はよくわかるけれど…。

本作の残忍なアクセント、フェイド=ラウサ(オースティン・バトラー)の冷たすぎる目つきが忘れられない。

そして目先の利益に囚われている男たちを天文学的スケールで操るような女性の宗教組織、ベネ・ゲセリットの存在がなんともミステリアスで不気味。

原作の大きなテーマのひとつである「宗教と政治」に大きく焦点を当てて脚色したところが今までの映像化と一番異なる点だそう。
映像&音響のデザインやキャストに圧倒されがちだけど、そこが実は深い気がする。
最近多忙でなかなか映画自体が観れない中、これの復習&予習だけはしておいてよかった。

ポールはマイケル・コルレオーネみたいになっていくのか?
未来ビジョンのチラ見せでPART3への期待も高まる。



〈note〉
もはやドゥニさんお抱えといっていいプロダクションデザイナー、パトリス・ヴァーメットが敬愛するイタリアの建築家カルロ・スカルパの集大成アートである"ブリオン家の墓地"で撮影されたという皇帝の庭園は、CGでない映像シーンの見どころ。
前作のアトレイデス家の惑星カラダンの建造物はほとんどここから着想を得ていたそうで、今回ブリオン家の撮影許可が下りて(スターウォーズの撮影はNGが出ていた)、監督ともども歓喜したと。
…あらかじめインプットして行ったので、派手ではないそんなシーンも興味深く魅入った。
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