センター分けのましゅちゃん

デューン 砂の惑星PART2のセンター分けのましゅちゃんのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.4
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が描く、
映像化不可能といわれた
SF小説の金字塔『DUNE』の映画化
第二作目。

まさに"映像体験"と呼ぶに相応しい、
五感で受け止める圧倒的な映像と
音響に息を呑む。

広大な砂漠での戦闘シーンの数々は
息をすることを忘れるほどの迫力と臨場感。
砂虫が地を割って登場するシーンは圧巻。

ガジェットや、舞台、フィールド、
キャラデザが、
どれも圧倒的クオリティで
見入ってしまうのは前作同様。

胃の底をひっくり返すような
身体の芯まで響く、重低音の臨場感は
劇場の床を震わせるほど。

ストーリー展開は中盤やや失速気味だが、
前作で最も求めていたものに
近づくにつれ、気付かぬうちに
多くのものを失ってゆく危うさ、
重い重責を背負った青年の脆さと
墜落の始まりを描く魅力的な物語。
"信仰"という心の拠り所がもつ
強さと弱みを見せ、
統治の意味を問う重厚感ある脚本。

お馴染みのキャラの続投と、
魅力溢れる新キャラの登場も楽しい。
特に今作最大のヴィランとなる、
フェイドラウザの狂気と悪のカリスマとしてのカッコよさに釘付け。
闘技場で暴れ回るシーンは、
モノクロの映像と、
広大な闘技場のフィールドを
舐め回すような映像演出も相まって、
今作随一の見どころ。

どんどんスケールアップ、
クオリティアップを重ねて、
上がってゆくハードルを超え、
観客を驚かせ続けてほしい作品なので、
星4.5以上は次回作にとっておくべく
今回は星4.4に落ち着けるとしよう。