かじドゥンドゥン

デューン 砂の惑星PART2のかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.0
国を追われ、砂の民フレメンに匿われ、再起を懸ける若き公爵ポール。最初はよそ者として、必ずしも歓迎されたわけではなかったが、彼の誠実でひたむきな努力が徐々に認められてゆく。とくに救世主の到来を信じる一部の民からは崇拝される。ポールはあくまでも一人の同志として冷静な連帯を求めるが、宗教的熱狂はエスカレート。ポールの母が「命の水」と称される毒薬を飲んでなお生きながらえるという通過儀礼を見事やってのけたため、これが奇跡とみなされ、ポールは救世主、母は「教母」として君臨。やがてポールも同様の通過儀礼に臨んで達成し、これまでよりもたしかな予見力と自信を手に入れて、自他共に認める救世主として民を導く。

宿敵・ハルコネン男爵家の首領を倒して父と祖国の仇を取り、さらに、この陰謀を黙認した皇帝を追い払って、皇帝の娘を娶ったポール。しかし、この広大な帝国を治めるのも前途多難。とくに、教母に成り上がった母親の動向が不穏。彼女は教母として手に入れた力で、実は自分がハルコネン男爵家の娘であることを知った。自分の夫とその一族を追いやった者たちの血が自分に流れているというこの矛盾と、彼女はどう折り合いをつけて行くのか。また、彼女の腹の中にいる娘と、ポールとの関係はどうなってゆくのか。(続編あり)

広大な砂漠をうねり回る「砂虫」。CGに隙が無く大迫力なので、3時間近い長編もどうにか観ていられる。ただ、あれだけ高度な文明をもちながら、結局は短刀でつつき合うという戦闘スタイルがメインで、いささか食傷気味。

最後は、ポールと、彼を支えてきたフレメンの女チャニと、出し抜けにポールが嫁にとると宣言した皇女との三角関係に焦点が当たる。たしかに気にならないわけではないが、2篇かけて長々と描いてきた壮大な叙事的作品のわりに、今回の落とし所はそこなんかい。