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デューン 砂の惑星PART2のToroのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.5
シリーズ2作目にして新たなSF神話が生まれたと身体が震えるほどの世界を観た。

世界観、キャラクター、ストーリー、演出、音楽そのどれもが非の打ち所がないほどで、その全てが自分にはどハマりした。

前作で一族を滅ぼされたポールはその復讐と自分の運命を乗り越えるべく、惑星アラキスに住むフレメンの元で力を蓄えていく。

一作目を観終わったあとは、設定の多さに初見では掴みきれない部分がかなりあったが、今作は一作目を踏まえていれば、驚くほどに設定が入ってくる。

登場人物は多くなっているにも関わらず、だ。

これは前作でこれでもかと設定を入れ込んだが故に、消化できていればすんなりとその世界にだけ没頭できるよう練られた展開なのだとすれば、天晴れ!という言葉意外見つからない。

主人公ポールをはじめとしたどのキャラクターも魅力的であり、世界に色を添えている。

言わずもがなだが、兎に角ポールが凄い…!!
覚醒してからの振る舞いには、痺れた。ポールの宿命との対峙とその慟哭を秘めながらも突き進む姿に胸が熱くなると共に、その場にいるかのような高揚感さえも抱いた。

映画でこんな高揚感を覚えたのはロードオブザリング以来ではあるまいか。
将としてのその姿。心から大好きなアラゴルンと重なったよ。胸が本当に熱くなった!

また、非常に洗練された戦闘シーンよ…。
前作もそうだったが、何てことなのと驚嘆するほどにDUNE独自の戦闘になっている。

CGが多用されるようになったバトルものが多くなっているなか、こんなにも泥臭くそして芯のある戦闘が見られるなんてもう、ここにも震えた。カッコ良すぎるでしょう。。

そしてなによりも、圧倒されるのがその世界観。原作を読んでいないからどこまで忠実かはわからないが、映画から入った身としてはもう完成し尽くされていると思えた。

もっとセリフや説明があっても良いのに、必要最低限にそれを留めたうえで観客を置いていかないそのバランス感覚はもう凄い!

宗教色を色濃く感じる世界は、SFというジャンルにどこか新鮮さと不気味さを映し出している。それが良い意味でこの作品を独自ながらも確固たる地位へと押し上げたと強く感じた。

前作にも感じたが、この時代においてまだこんなにもSF映画というジャンルに、真新しさを感じさせる映画が生まれるのかとただただ尊敬の念すら抱く。

原作が素晴らしいのは勿論だと思うが、それをわかりやすく誰しもが観られる映画という表現に落とし込んでくれたその執念に心からの感謝を!!

この映画を映画館で観れて良かった!!

あと、出来れば原作全部やって下さい!!

日本の映画館での冷遇されっぷりに愕然としてしまったが、これが映画の底力だぞ!っていうのを心底思えた傑作だった!!

日本の子どもたちよ。
SF映画にハマってくれ!
アニメも観ながらでいいからさ!!
Toro

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