壮大な世界観に圧倒されるも、ストーリーはいたってシンプル。
というより原作が古典SFだから、現代の視点から見ると王道すぎるという感想にもなるな、という感想。
しかし、そこはさすがドゥニ・ヴィルヌーヴで、圧倒的な映像美とビジュアルで全然古臭さを感じさせないのはさすが。
特にメカはところどころナウシカっぽさが感じられて良かった。採掘機とか、宇宙船とか、羽生えてる飛行機とか。
サンドワームに乗るのは、原作通りとは言えちょっと無理があるというか、なんか神秘性が損なわれてうーんって感じだった。
旧文明の力で新文明を圧倒する展開は良いんだけど。
あとは敵であるハルコンネン家の、どう見ても敵だっていうわかりやすいビジュアルね。
オースティン・バトラーのサイコな敵キャラは、今どきナイフを舐めるっていう古典的すぎるイカレキャラ演出もあって、とても良かった。
ティモシー・シャラメはビジュアルがズルすぎる。どこを切り取ってもイケメン。
よくある貴種流離譚的なお話なんだけど、この神格化され祭り上げられていく流れが不穏で、どんどん人間性を失っていくような演出にしていたのは良い改変だと思う。
ストーリーに関しては批判もあるけれど、大筋は古典だから変えれないし、精神性としては決して戦争を美化している訳では無い描き方だから、そこは良いんじゃないかなと思いました。
感情移入できるようなキャラがほとんどいないなかで、ゼンデイヤ演じるヒロインが唯一価値観が現代的で観客に寄り添う作りになっていたのも良かった。
続編にも期待です。