ガリガリ亭カリカリ

デューン 砂の惑星PART2のガリガリ亭カリカリのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.8
バカっぽいことはなるべくやりません!と頑張っていた前作から転じて、今回はバカっぽいことしかやりません!とベクトルを思い切り振り切っていて、それは全く予想していなかったことだったのでそのコンセプト自体が面白かった。

より端的に言えば、
「デューンってスター・ウォーズとかナウシカの先祖みたいなもんなんですよね……すごくないスか……」←パート1
「先祖だけどスター・ウォーズとかナウシカのモノマネをやってみましたよ!先祖だからクオリティ高いんスよ!」←パート2

たとえば「ウチは高級焼肉店なんで!」「肉の盛り付け方にもこだわってますんで!」「そんなに肉をたれにつけないで!」と言っていた店に2年ぶりに食べに来たら、「こちらの松坂牛、このバカウマサイコーウマイウマイスペシャルたれにつけて食べても美味いんですよ!」「黒毛和牛で作ったハンバーガー美味いんですよ!」「ってかカップヌードルの期間限定味って美味いっすよね!」と気さくに話してくれるようになった感。
自分は前の店もめっちゃ美味しかったけれど、ちょっと店員さんたちの「ウチの店は他と違ってすごいので」マウントが苦手だった。
今回の店は前の方が盛り付け方は綺麗だったけど、なんだか面白メニューが増えていて、素材はそのままで美味しかったし、店員さんたちも楽しそうだったので好きだった。
そんなアホみたいな感想。

フェイド・ラウサ最高。バカ丸出しの「悪いだろ〜〜」(byスギちゃん)な演技に痺れる。ナイフ舐めた時も笑った。
ホドロフスキー版だとミック・ジャガー、リンチ版だとスティング、ヴィルヌーヴ版だと『エルヴィス』でエルヴィスを演じたオースティン・バトラー……フェイド・ラウサ役にはミュージシャンしか配役できないのか!面白い。

母ちゃんがキチガイ魔女になり、「お腹の中の妹曰く……」とアリアに責任転嫁してくるのが面白い。

ポールが何を言ってもスティルガーが「リサーン・アル=ガイーブ!」と絶叫するのがめっちゃ面白い。
ポールが「僕は救世主なんかじゃない!」と言うと「なんて奥ゆかしくて謙虚なんだ……リサーン・アル=ガイーブ!」ってスティルガーが感動してて、陰謀論者ムーヴだらけで笑った。

デイヴ・バウティスタ演じるラッバーンがポンコツ暴漢ジャイアンみたいなキャラになっていて、困り怒り演技しかしていないのが面白い。

ハルコンネン男爵の豚骨スープ入浴シーンが増えていて面白い。

モノクロ闘技場のシーン全部面白い。真っ黒い液状花火ドカーンドカーン最高。

優生主義キチガイ魔女尼僧集団ことベネ・ゲセリットのレア・セドゥによる誘惑シーンからの「もちろん女の子ですッ!」報告面白い。

皇帝とイルーランが京都みたいなところでお茶飲んでるの面白い。
リンチ版だとあんな金ピカギンギラな城にいたのに。

サンドワームライド無謀すぎて面白い(ラストに活きていて良い)。

シャマランの『ハプニング』よりも落ちてくるハルコンネン兵たち面白い。

アリアが生まれない!というのはリンチ版が好きな身としては受け入れられない!
幼児が大人みたいに喋るのが最高だったのに!(アニャさんは良いキャスティングだと思うので、砂漠の救世主が楽しみ)

パート1からこの感じでやってほしかった……