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デューン 砂の惑星PART2のruublueのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.9
この映画の空気感、とてつもなく重い。
ですがストーリー自体は複雑ではありません。見始めると砂の世界観に癒され、いつしか自分もそこに居るかの様な没入感に。

それもそのはず、映画の中で語られる「絶景」というワード。砂漠を照らし出す朝の光と闇の夜。目の前に広がる広大な風景が美しくてずっと見てたくなります。

そんな風景の中、俳優としての才能と美が今絶好調のティモシー・シャラメが立つだけで絵になり、劇伴を名匠ハンス・ジマーが務めるとなると映画を観るもう一方でデトックス、マインドフルネス効果ももたらしてくれる一本だと感じました。


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ここから下は若干のネタを含みます。未鑑賞の方はお外しください。既にご覧になられた方にシェア頂ければ幸いです😊✌️


【新しいライバル】前作、1作目の敵対キャラクターに益々凄みを出す為の新キャラクターを演じるのはオースティン・バトラー。2022年エルヴィス・プレスリー役でナイーブさを演じた俳優がまさかこうまでおぞましい姿に脚色されるとは、、。姿形、人格をも変える映画の持つ魔力に改めて圧倒されるキャラクター作りは必見です。

【主役 ポール・アトレイデス】
2作目でのポールのミッション。血統を受け継ぎ、人を統べる。人を信じ、純粋な心を持つポールがひっきりなしに続く戦闘の合間で人知れず大人になっていたのは観る側として盲点を突かれた思いでした。

ポールが非情とも言える、ある決断をするシーンは自分側の心構えが出来ていなかった為、呆気に取られるほどショッキングでした。part2での裏切りがPart3ではどの様に牙を向くのか。。

【この映画の準主役】とも言えるメカニックの動きについては前作同様どこか昆虫ぽくて、宮崎アニメのもののけ姫等で表現される生物、無生物たちの精巧な動きをCG化させている様でいつまでも見ていたくなる。日本要素を海外作品がこぞって取り入れ始めた事は一日本人として嬉しい事ですね。


【砂の惑星DUNE 概要を改めて振り返る】
1965年にアメリカで小説として発表され、1970年に映画化頓挫、1980年代に映画化されるも批評家からは否定的な評価だったそうです。
映画化までに長い紆余曲折があり、その後のSF作品に与えた影響の大きい映画である事は有名ですが、必ずと言っていいほど比較されるスターウォーズとの違いを今後明確に打ち出す為には、壮大な抒情詩を形成する上での時間経過も必要なのだろうと想像します。

今作はクライマックスには程遠く、ストーリーは主人公のポール同様に未だ若く見え、DUNEの今後がどこに向かうかは謎ですね。

ポール・アトレイデスはSWルーク・スカイウォーカーに肩を並べる事が出来るのか。DUNEはスターウォーズ・ロスの胸の空きを埋めてくれる映画となるのか。
「DUNE」としての歴史を刻んで欲しいと思った一本でした。
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