ぴー

デューン 砂の惑星PART2のぴーのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.2
すごい、なんかもう全てがすごすぎて感覚が狂ってしまう。とにかくすごいしか言えない。
一本の映画の中に一つあれば「おっ」となるようなカットや演出や美術が、ひたすらに乱れ打ち状態で襲いかかってくるので、一体何がすごいのか途中から訳がわからなくなってくる。
むしろなぜ映像芸術としての素晴らしさを言語化できると今まで錯覚していたのか?と思わされるレベル。

IMAXレーザーGTで2回観た。うち一回は池袋のフルサイズ、一回は日比谷の通常サイズ。
2回目だったから味わう余裕があっただけかもしれないけど、どちらかと言えば実際の視界に近い(ような気がする)通常画角が個人的には好みだったかも。
明らかに対象がスクリーンに収まりきってない瞬間もたまにあったり、字幕が役者の顔面に被ってきたり微妙な点もあるけど、キマった構図を味わうにはやっぱり横長スクリーンが良い。
1作目はただただ絶景を眺めている感覚があったけど、今作はその魅力を引き継ぎつつ活劇としても大満足させるという、無敵感すら漂っていた。タイトなアクションシーンに痺れた。

某G邦画がオスカーの視覚効果賞を獲って持て囃されているタイミングで観たから嫌でも脳裏にチラついてしまって…技術だけは磨かれてるけど肝心のデザイン、ディレクションがダメダメでプロダクトとして全く洗練されていないというのが、良くも悪くも戦後日本らしいなと、半ば諦念の域に達した。
あらゆる芸術的要素に対する感性が、すっかり失われてしまってるのだな、と。

ビル6階分の高さのスクリーンにすっぽり収まるどアップで映し出されて耐える、役者陣の顔面の強さとは。マジで神話的。
中でも恐らく一番ど真ん中ストレートで整っている顔面をお持ちのレベッカファーガソン演じる母の執念は、ヴィルヌーヴ『灼熱の魂』にも通ずるなと思うなど。
個人的には史上最も可愛いと言っても過言ではなかったフローレンスピューにヤラれた。ごめんレアセドゥ。
そしてシャラメとゼンデイヤのリアルなのにさっぱりとした“事後感”の破壊力がすごい。俺がトムホランドだったら発狂して訴訟でも起こしてたと思う。
ぴー

ぴー