カタクチイワシ映画レビュー

デューン 砂の惑星PART2のカタクチイワシ映画レビューのネタバレレビュー・内容・結末

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

いやさ、PART 1の時点で主人公にシャラメ、ヒロインがゼンデイヤってだけで個人的には大勝利の全肯定なわけですよ。なのに作品としても面白かった。大大大勝利です。じゃあ続編は…?
はい私フルボッコ。約束された勝利のなんたらってコレのことでしょ。2作目として正に名作『帝国の逆襲』のそれです。文句無しの優勝だー!


PART 1もそうだったけど今作も意外と地味。主人公ポール(ティモシー・シャラメ)の成長譚でもあるわけなんだけど、中盤まで観てて愉しむと同時にちょっと危惧を感じました。
これ、最後もしかして白人酋長モノになっちゃわね?って感じに。
でもそこはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、私の杞憂など見事に裏切ってくれました(展開上はなっちゃうけどね)。所々きちんと目配せをしてあって、ただの欧米的マッチョイズムな流れでは決してないと思います。
終盤遂に救世主として覚醒し覇道を突き進むポールと、それを遠くから見つめるチャニ(ゼンデイア)。2人の距離と触れ合う視線が痛々しく、哀しく切ないです。

撮影・編集も素晴らしい! 映像への没入感が半端じゃなかったです。基本6〜7割方場面が砂の作品において、舞台となるアラキスをちゃんと魅力的に描いてみせていると思います。少なくともSF映画でこれ程砂漠が美しい作品を観たことない。
サンドワームもド迫力。ポールのライディングシーンは息出来ませんでした。完全に私もフレメンの1人として応援してました。
そして音響の凄まじさ。お腹にガッツリ響いてすんごい効果的。ハンス・ジマーの劇盤も相変わらず秀逸でした。

あとこの映画単純にキャストが好みの俳優しかいない。特に女優陣が完璧にツボ。レベッカ・ファーガソン、フローレンス・ピュー、レア・セドゥってどーなっとんねん。しかもノークレジットでまさかのあの人まで出とるし。あんたマッドマックス出てこっちも出るんかい! ー絶対観ます‼︎

中でもメインの3人は魅力全開でした。
今作におけるポールの宿敵フェイド=ラウサ。身内が眼前で殺されてもその死に魅了されている様な恍惚とした表情。この難しい役をオースティン・バトラーが見事に演じ切ってましたね。
砂漠のワイルドフラワー ヒロインのチャニ。実は今作において相対的にポールを見つめる役として彼女のウェイトはとても大きいと思いました。最後はなんとも言えません。ゼンデイア様々です。カワイイっ!!
そして主人公ポール。この『デューン』2部作は全体的にクオリティの高い作品だと思うので見所も沢山ありますが別の観方もあります。
そう、それはティモシー・シャラメを観ることです! 話に乗れなければシャラメを観ましょう! それだけで価値がありますからねー!
でも冗談抜きでシャラメが素晴らしくって、映画の始めと終わりでは全く雰囲気が違います。あの若さにしてとんでもない俳優力。彼こそポール、ポールこそ彼って感じ。正直私なら秒でシャラメの前に額ずく自信があります。マジリアル王子。


ドゥニ監督のフィルモグラフィを改めて見てみると個人的にハズレがありませんでした。なのでこれからもどんどん新作を作っていってほしいな。続編お待ちしています。シャラメも期待しています! オススメですっ‼︎