やーすけ

デューン 砂の惑星PART2のやーすけのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.5
前作と同じく叙事詩的な語り方なので活劇を期待していると肩透かしを食らうかもしれない。どちらかと言うと絵巻物を見ている感覚に近い。ヴィルヌーブ監督のこのスタイルは、カナダの大学で実際に起こった銃乱射事件を扱った「静かなる叫び」(2009)あたりですでに完成している。扇状的な演出を避けながらも観客の目を離さずに人間や世界の闇を炙り出していくことができ、センセーショナルな題材を扱う際の免罪符のような役割もしていた。
だが、"ヒットを約束"するためにフィルターがかけられるビッグバジェットの作品では、題材はより刺激のないものになり物語の牽引力が弱まる。特に「ブレードランナー2049」や本シリーズではそうしたスタイルの弱点があらわになっている気がしてならない。「ボーダーライン」(2016)までのような活きがいい題材や練られた脚本の作品をまた見たい。
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