秀ポン

デューン 砂の惑星PART2の秀ポンのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.0
Part1を見たときの「超壮大な何かが始まってる……!」って感覚を思い出した。

どデカいサンドワームに乗って移動するのが凄い良い。その上で、何よりも良いのは彼らがただの移動手段に堕ちるんじゃなく、ちゃんと畏怖の対象のままでも居ること。(シャン・チーでのドラゴンの扱いとか凄いガッカリしたもんな)

サンドワームを呼び出して乗る際の、巨大な何かに接近する感覚ってのは、葉っぱによるトリップの感覚に近いのかもなと思った。巨大な何かに身を放り出す感覚というか。
ポールはその感覚を掴みサンドワームを乗りこなすことで一人前として認められるんだけど、ここでポールを「これでお前も仲間だ!」って拍手するコミュニティーの感じもヒッピー文化っぽく見えたりする。

トリップ描写でいったら命の水を飲むシーンの方がもっと直接的なんだけど、最中の感覚をより忠実に再現してるのはサンドワームに乗るシーンの方だと思う。

この映画のラストもワームに乗るシーンで終わる訳だけど、ワームを待つチャニが美しすぎた。
先ほど散々破壊の限りを尽くしたワームがゼンデイヤに向かってくる図、身を投げるような感じがしていいんだよな。チャニの、傷心による自暴自棄感が出ていてとても良い。

──その他、細かな感想。

戦士達が砂の中から走って出てくるのカッコいいよなー。でも砂の中でずっと待ってるの辛そう。狭いし暗いし暇だし最悪だよな。
あと重機の降下ポイントがズレて踏んづけられたりしたら最悪だよな。

水の全く無い場所だからこそ水のサイクルがはっきりと見えて印象が強まるの、科学的思考そのものだよなと思う。極端な例について考えることで対象の本質を掴もうとする感じ。

Part1では貴種流離譚で主人公に母親が付いてくるの珍しいなと思っていたけど、今回は主人公が母親と対立していて、まあわざわざ付いて来たからにはそうなるだろうけどやっぱり奇妙な話だなと思った。

ハルコンネン男爵(Coal Tar Fat Guy)がもう倒されちゃうんだってのも思った。

あんなちっちゃいところからあんなに大きく育つんだ……すげ〜。

・原作ファンの知り合い曰く、これはクソ映画だったらしい。そこまで言う?ってくらいバッサリ切っていて笑えた。特にゼンデイヤがダメだったらしい。原作はどれほどのもんなんだと気になるけど、でも常軌を逸した長さなんだよな。
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