みちろう

デューン 砂の惑星PART2のみちろうのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.6
前作を家で見てから2年経ち、内容を全然覚えておらず直前まであらすじを読んでた状態で挑んだパート2ですけども、マジで劇場で観てよかった。今年のマイベストに入れたい。

序章って感じの前作から続くパート2では家族と軍隊を全て失ったポールと母がフレメンに受け入れられようと彼らの生活に溶け込み力をつけていき、ハルコネン家に対して劣勢だった戦況を覆す快進撃が繰り広げられる。

前作を映画館で観てないからなんとも言えないけど、まずIMAXの迫力がとてつもない。画角や音質など細かいことはわからんが視界を埋め尽くす映像がドッと目に飛び込んでくるのと体を揺らすバカデカ重低音で映画にどっぷり浸かる体験。ハンスジマーの音楽がこれまた沁みる。

劇場(IMAX)マジック抜きで観るとストーリーは割と普通のファンタジー。しかし映像は流石ドゥニと言いたくなる圧巻のクオリティで映像美のオンパレード。これがより没入感を高めてる。もうアラキスが美しすぎて映画館からの帰り道でふと見渡した東京の風景があまりにしょぼく感じた。個人的にハルコネンの闘技場から映像がモノクロに切り替わるがめちゃ良い。

これは前作でも思ってたけど長年温められてきたであろう唯一無二の独特な設定とデザインがしっかりしてる。ハエのように羽を羽ばたかせるヘリコプター、丸坊主お歯黒のハルコネン、サンドウォーク、倒した敵から水を奪い戦死した仲間からの水は墓に貯水する習わしなど他にもいっぱいあるけど未来化しすぎず地球の文明からの面影を残す設定などが見てて飽きない。

オッペンハイマーもなかなかすごいキャストでそうそうたるベテラン俳優をいやらしく小出しに登場させてきて盛り上げていたけど、本作は今のハリウッドの先頭に立つ若きスターたちをオールインしたこれまた違う輝きの放ち方をしてる。ティモシーとゼンデイヤだけでもすごいのにフローレンスピュー、オースティンバトラー、レアセドゥ、atj(ネタバレ)…もう全部出てくる。しかもどれも役にハマってる。特に改めてティモシーとゼンデイヤは2人以外には考えられないくらい完璧なキャスティングだったなと。

登場人物や設定を深堀した今作は満足度・内容共に続編に相応しい出来栄え。映画館で観るべき映画はやっぱりすごく良い。早くもまたこの体験を味わいたくて仕方ない。サブスク解禁されても劇場じゃないと意味ないのが悲しい。ともあれパート3絶対観ます。原作もリンチ版も見なければ!



意外とあっけなく死ぬハルコネンの強キャラ/序盤の浮遊シーン/近代兵器を扱う伝統民族/独特sf未来デザイン/乗るのは良いけどどうやって降りるのかずっと気になるサンドワーム/命の水
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