あおき

デューン 砂の惑星PART2のあおきのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.1
PART1は造詣が神ってたので★5.0にしちゃったけど、PART2は7割くらいの造詣が1からの流用だった&新造詣が微妙だったので、こんくらいの点数で…。

冒頭の追っ手から逃げるシークエンスがカッコよかった…奇妙で美しい世界観を象徴するような、快晴の砂漠で浮遊する漆黒の宇宙服。

フェイド=ラウサまわりの新造詣はかなり良かった!闘技場の周りにいた角の生えた黒子みたいなヤツが好き。てかオースティンバトラーの演技がおもしろい。「エルヴィス」とは打って変わって本当にクソヤバいやつ。
ハルコンネンのシーンが白黒だったのかっこいいよね。カラーで見せてくれや〜とも思うけど。モノクロにした理由もここ👇を読んでめちゃくちゃ納得。宇宙は広いので、地球と異なる色彩をもたらす太陽があってもいい(最高のSF思考)

https://theriver.jp/dune2-black-and-white-scene/2/




(以下ネタバレ多め)




一方で宇宙皇帝のおうちが(覚えてる限りでは)めちゃくちゃ普通の家と庭…って感じだったのがかなり解釈不一致。
鏡面球体の宇宙船やイルーランの衣装とかは凄いカッケェんだけどね。宇宙皇帝がただの寝巻きのクリストファーウォーケンだったな。
しかも強い幹部キャラや兵器が出てくることもなくて残念だった。前作のサーダカーの強さで「並の兵隊だけでこんな無双できんなら本隊とかヤベーんじゃねーの…?」と絶望したおかげでハードルが上がりきってたから、何か欲しかったなー。娘にフォローされるくらいには意思決定力も無いし、アトレイデス家をアラキスに回してハメた狡猾さはなんだったんだろうか。



本作はベネ・ゲセリット=宇宙の未来の繰り手がむっちゃ魅力的に描かれていたと思う。フェイドにもポールと同様に予知夢の兆しがあり、レディ・フェンリング(レア・セドゥ)がハルコンネン家の種子を遺したのも、ポールが成就しなかった未来でフェイドをルーツとしたクウィサッツ・ハデラックを産み出すための動きなのだろう。
(そもそもPART1冒頭で語られる通りクウィサッツ・ハデラックは女性が望ましいようで、ポールが成り得る“リサーンアルガイブ”とはまた別なのかもしれない。ポールの妹(アニャテイラージョイ)をクウィサッツ・ハデラックにするための存在としてポールが居る…とかなのだろうか)

なにはともあれ、宇宙の運命には誰もが部品でしかない。その運命に呑まれるか、はたまた運命すら利用するか。ジェシカが教母になったあとはそんな物語の軸が通った気がした。
ポールは予言に抗えないことを悟りつつ、その運命にチャニを巻き込まないために敢えて彼女を突き放すのは切なかった…(が、これも何か未来に作用してしまうのだろう)。

ただシハヤ(砂漠の春)の涙で救世主が復活する…!!みたいな設定、めちゃくちゃ良かったんだけど……前作で語っといてほしかったよ……あったっけ??俺が忘れてるだけ?
めっちゃエモい運命展開なのに後出し設定みたいになってて嫌だった。まあ良いけどさー。PART1で教母ジェシカの姿とかガッツリ伏線を打つ体力があるんだから、そこも頼むよ!!



ま、ともかく最高であることは間違いなかったです。また観たいなーー。
パート3も決まったということで、そちらを観ないことにはなんとも言えない(って前作の時も言ったけど)ので気長に待ちます。
あおき

あおき