このレビューはネタバレを含みます
飲んだくれでロクデナシの作家劉の謎の女遍歴のお話。端役に至るまで美女ばっか選んでない?不自然ながらも逆に内的世界の雰囲気を醸し出していたような。
どうしようもない劉。作家といいつつ書けないし書こうともしてない。プライドだけは一丁前で女の方から寄ってくるという馬鹿げたキャラで、現実感なさすぎで逆に寓話的ですらありました。
一貫した文芸趣味でモノローグが余りに多く、原作の紙芝居のようでもありましたが、カメラワークがそこそこ面白く、見ているうちに不思議と慣れました。ただ文字映して読むのだけは勘弁。
内戦の記憶や海賊版への怨嗟など、活かしきれなかったような表現も多く、原作を読んだ方が面白かろうと思いますが、それでも劉の演技をはじめ、映画としての浮世離れしたような雰囲気の魅力も感じられた不思議な映画でした。