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カッコーの巣の上でのaのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.4
前半はけっこうコメディタッチで、笑えるシーンが多くて楽しかったけど、終盤は辛かった。

病院側にもうちょっと融通をきかせてあげて〜と思う部分はありつつも、当時の医療技術や業務体制からしても、規範に則って治療していくことが第一だったんだろうなとも思う。マクマーフィも、ここから出たいならもうちょっと賢くやるべきだったな、でもそれができないからこの病院にいるんだしな…

病院が厳しすぎたのは前提としても、自分の要求が聞き入れられなかったからといって、暴れたり、脱走したり、勝手に娼婦を連れ込まれたりするとすごく困る。
でもきっとマクマーフィみたいな人は多かれ少なかれいろんなところにいると思うし、そういう人たちが全員、彼みたいに、愛想が良くて親しみやすい感じではない。彼はその気質ゆえに患者内で愛されてたけど、現実にそういう人はそんなに多くないんじゃないかなあ。
そういう人たちのために福祉が存在するんだよな、と思いつつ、現実の厳しさも思います。

ロボトミーって初めて知ったけど、昔は割と行われていたのね…
人間の尊厳とか、権利とか、もうちょっときちんと考えたい。

母親に怯える吃音のビリーが辛かった。もうすっかり青年なのに。
全員演技がうまくて、とても見ごたえがありました。
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