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カッコーの巣の上でのchiのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.3
これは名作だわ。見ながらも色々なことを考えて、感想を一言で表せないような作品は好き。
毎日日課をこなすだけだった人たちが、マクマーフィーの破天荒さによって生き生きし出す。特に船のシーンは生き生きと生きるとはどういうことかを見せられた気がしたし、終盤の馬鹿騒ぎの夜もみんな楽しそうなんだよ。病院の治療が大事なのもわかるけど、人間って制限されたり強制されたりして生きるもんじゃないなって思った。
でもその一方で、私は厳しい婦長に否定的な感想は抱かなかった。逆に、患者と婦長たちが円になって議論?をしているシーンが好きだった。対等に一人一人の意見や考えを聞いているように思った。「それは良い問題提起ですね」や「◯◯はどう思いますか」といった婦長の発言が、患者を一人の人間として尊重しているように感じた。マクマーフィーについても、私たちが救いますといったことを言っていたし、看護師としての強い意志を持っているのが良い。常に険しい顔をしているのも良かった。
ラストの展開には驚いたが、やはり人間はただ生きて生存していることではなく、人間らしく生きることが大事ですよね。
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